電波問題

このタイトルから皆さんはどんな問題を想像しているのか気になるところではありますが、家の中の電波が悪いとかいう田舎あるあるではありません。むしろ逆。去年の夏に近所の人がうちのすぐ裏の敷地に、電話の電波塔建設の契約書に１００メートルしか離れていない住民のうちらに許可を取ることもなく話すらすることもなくサインしていたことが発覚したという。しかも偶然に。一番の問題は、オペレーター（うちの場合は大手のOrange）と土地の持ち主との間だけで契約できてしまう。そして住居から最低どのくらいの距離離れていないといけないだとかなんの規定も法律も存在しない。うちらの場合、すぐに土地の持ち主に確認したところ、もう役場にも建設申請の資料を提出しているとのこと。役場に確認すると村長はそんな資料は見たことがないとの答え。結果、その資料が見つかるまでに２週間くらい時間がかかり、というのも村長の夏のバカンス中に提出されており、受け取っていたのが役場の二番手でうちの隣の同業者、しかも村長が探している間、その二番手はバカンス中で、土地の持ち主と（ちなみに友達）なんだか手を組んで意図的にこのタイミングで資料を隠していたのでは？！と思わずにはいられない雰囲気。そのせいでストップをかけれる期限が過ぎていて、上の県庁にこのある意味役場の不祥事ともいえる資料の隠蔽？！的なことを手紙にし報告。オペレーターにも同じように建設に反対という意思を示し、近所の人にも状況を説明し署名活動をはじめました。

私達が文章で示した内容というのは、電波塔の建設自体に反対しているのではなく、住居から最低３００メートル、またすぐ隣が旦那のファームの放牧地、もちろん人間よりも土を通して靴もはいていない動物の方が電波の影響を受けやすいという点。土地の持ち主だけではなく一番近くの住民に許可を得ずにプロジェクトを進めることが納得できないという内容。ただそこでの問題は、電波塔によっての直接的な身体への健康に害する影響の報告がないということ。

その後、村長と村会議員のメンバー、オペレーターの会社から３名と住民代表で旦那とお向かいのおばあちゃんが会合に呼ばれ、話し合いをした際、なぜかサインをした張本人（土地の持ち主）とその隣人でこのプロジェクトに賛成のおじさんも呼ばれており、もちろん反対の旦那（と隣のおばあちゃんも反対だが意見できる余地なく）は滅多打ち状態。ほぼ旦那１対９くらいでこのプロジェクトは何も問題なく、近隣住民の電波を必要とする人たちの為にすすめる方向でと突っ放されるという。

その時に会合が行われた役所前に集まりはじめた反対住民たち。

中には５Ｇには反対という人や電波塔自体反対という人がいたり、私達の反対している理由とは多少ずれているところもありましたが、とにかく近隣住民に許可なく建設するというやり方が正当ではないということを強く主張しました。

署名活動をしていて感じたのは、みんな電波は必要だけれど、自分の家の隣は嫌だということ。そうなんです。やっぱりみんな電波の影響は少なからず受けたくないという認識なんだと感じました。たとえ健康に害があるとはっきりした研究結果がなくとも。

オペレーター側には住居から離れた土地を数カ所移動できないかと提案するも、テクニック的または金銭的に高くなるからという理由で断られ、村長ははじめは中立的な立場を見せていましたが、ただ近隣でも同じような問題が起きていて、他の町長や村長と会合を重ねて、その中で住居から最低３００mは距離をおくべきという共通の認識項目を得て、今はオペレーターから建設申請がきてもサインはしないということは約束してくれています。（どこまで信用できるのかは別として。。。）

この問題が発覚してからというもの、旦那は特に、ただでさえクソ忙しいのに、半分の時間はこの問題に時間を費やさなくてはいけなくなり、心身ともにすり減ってゲッソリしていました。精神的ダメージが特に大きかった。。私達だけでは対応できる小さなことではないということで、その後コレクティブという団体を作ったおかげで、旦那の負担が減り、分担して他の近隣グループとも共同で活動しています。

南フランスの親友みーちゃのところでも同じような問題があったり、いろんな記事をみる限りほぼ同じ時期にフランス全土でこの問題が勃発しているのがわかります。

今、だれもがスマートフォンを持つ時代、ステイホームで余計にネット社会に拍車がかかっている今、このまま５Ｇやその上をいくスピードと強さの電波が全世界に張り巡らされた地球を想像すると、もう怖いの一言。。。どんどん人間の脳みそが劣っていって、ロボットに占領されるっていう映画のような世界が来るのではないかなどと考えてしまう今日このごろであります。。。