フランスの出産を振り返る

出産前、いろんな人から不安?怖い?と聞かれたけど、不思議と出産まで一度も不安に思うことがなかった。きっと出産てどんな感じなんだろうっていう興味、好奇心の方が強かったのかもしれない。あとはこの赤ちゃんがそうさせてくれたのかも!?妊娠中はなんのトラブルもなく、病院では毎回、パーフェクトだね!と言われ、とってもリラックスして過ごさせてくれた。

そして当日の病院。

前評判通り、この町の病院のマタニティは本当に最高だと思う。言葉の心配をしていたけど、スタッフ全員が本当に親切で分かるまでゆっくり話して説明してくれるし、英語が話せるスタッフは気さくに話かけてくれるし、何よりも、妊婦さん、赤ちゃんにとって1番良い方法での出産を取り入れてるところが良かった。

例えば、1番辛い陣痛の時のリラックス方法、事前のレッスンから、病院にはいろんな道具も揃っているし、旦那さんも一緒に入れる広いシャワールームがあったりと設備も充実している。(私が1番陣痛に耐えるのに楽だったのが、バルーンに脚を広げてまたがり、赤ちゃんが降りてきやすいように腰を回しながら息を大きくゆっくり吸ってはいて、その間旦那さんがテニスボールで腰をマッサージする←これ重要!最後の方はあまりの痛さに息も震えて腰も回してる余裕はなかったけど…)


そして出産方法。通常は仰向けで脚を広げた体勢が一般的だけど、実は赤ちゃんの頭が引っかかり出てくるのが大変だと言うこと。これはお医者が取り出し易い体勢なんだそう。赤ちゃんが1番降りてきやすい体勢は、横向きで上の脚を90度くらいに曲げクッションに乗せたくらいの状態が赤ちゃんが回旋して頭が出やすい体勢だと言う。
お尻の方から下の脚の上に降りてくる感じ。

ここでは出産の場で妊婦さんが快適に感じる体勢を選べる。

そして赤ちゃんが出てきて1番最初にするのは、お母さんの裸の胸の上に乗せて肌と肌を触れ合わせる。そして赤ちゃんは本能的に自分でおっぱいを探して飲む。動物と同じくこれが大事なんだそう。

さすがに赤ちゃんは自分でおっぱいを探して飲む…ところは難しく手助けが必要だったけど。

出産後も、肌と肌のふれあいは赤ちゃんの成長に良いということで、着替えさせるタイミングで私も上半身裸になり、肌を触れ合わせておっぱいをあげている。


そして出産した直後から赤ちゃんとは離れずずっと一緒!さすがに出産した直後は疲れて大変だったけど。もちろん妊婦さん次第で、頼めば助産婦さんが見てくれる。

私は3日目の夜中、寝不足が辛くて母乳の間の2,3時間を2回頼んで見てもらった。

私は出るのであれば母乳を希望していたけど、まさかいきなり100%母乳だとは思わなかった!足りない分は粉ミルクをあげるのかな〜なんて。が、しかしここでは最初出が悪いのは当然ということで、足りなかろうが、吸わせることでホルモンの分泌もよくなると定期的に吸わせる。最初はやっぱり足りなくて赤ちゃんは1時間半おきに泣いてたけど、だんだん赤ちゃんも吸うのに慣れてきて、おっぱいの出も良くなり、だんだん時間も伸びていくのが分かった。



無痛分娩について

様子は出産の時の日記に書いたけど、唯一残念だなと思ったのは、麻酔で赤ちゃんが降りて来た時の頭の位置がはっきりわからなかったのと、いきむ時の加減が分からなかったのがとても悲しかった。それ以外はとにかくウソのように陣痛の痛みが消えて苦痛感がなく出産が出来た。出産の痛みは忘れるっていうけど、また出産したい!ってすぐ思うくらい。なので、出来ることなら2人目こそは自然分娩をしたいなとは思うが。。


人生初めての入院生活。

私は気がつけば34年間、入院したことがない。ちょっと憧れてた入院生活。フランスでは普通出産だと5日間の入院が平均みたい。短すぎず、長すぎずといった感じかな。ここは全室個室。トイレ、洗面台、クローゼット、テレビ、机、赤ちゃん用のバス台、オムツ替え台、ベッドと広い作りで、とても快適に過ごせた。(あるフランス人の友人は、部屋にシャワーないの?!私の時はあったのにと言っていた…)



入院中は助産婦さんが頻繁にオムツ替えや授乳がうまくいっているか様子をみてアドバイスしてくれる。あとはお風呂の入れ方も最初は手本を見せてくれ、次の日には自分で全部やらせてくれ、丁寧にアドバイスしてくれた。

入院中に必要な道具も、私たちは結局全部用意出来ずに来てしまったけど、何気に病院で用意してくれるものが多くて使わなかった入院道具も多い。

食事は最初、塩も使っていないこれぞ病院食!といったたんぱくな物だったけど、徐々においしくなっていって割と満足出来た。
ある日のランチ

前菜にパテ、メインは牛肉の煮込み、ポテトのバター煮、パン、デザート 食後にコーヒーか紅茶を持ってきてくれる。

何が嬉しいかって、食事、掃除なーんにもしなくても用意してくれちゃうとこ。至れり尽くせり。


そういえば、出産直前に剃毛も浣腸もしないでそのまま分娩台に上がったのがイメージと違ったな。日本ではどうなんだろう?

日本の出産事情が友達から聞いたことくらいしか情報がなく比べられないのだけれど、とにかく私は初めての出産を言葉の分からない海外でしてみて、とても安心して快適に出来たので、多くの人が言うように、フランスという国は、出産に関してとても良い国だと言えるだろう。

育児についてもきっと驚きの違いもあるだろうから、今後どんな違いがあるのか興味深い。ママ友が出来るように私もフランス語頑張らなくては!